・部位と傷害される深さによって様々な症状を呈し、消化管に好酸球浸潤をきたす慢性アレルギー疾患
・新生児〜乳児における食物蛋白誘発胃腸炎、幼児～成人における好酸球性食道炎（EoE）、好酸球性胃腸炎（EGE）の総称

【症状】

【診断】

・臨床症状と消化管内視鏡による消化管への好酸球浸潤、あるいは腹水中の好酸球増多により診断される
・病変が粘膜にないと内視鏡では診断が困難だが、このような例にはCTやX線造影によル消化管肥厚ヤ狭窄が手掛かりとなる
・粘膜固有層に好酸球浸潤を伴う疾患は多くあり、炎症性腸疾患、寄生虫疾患などの感染性腸炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症などの全身性アレルギー疾患、膠原病に伴う消化管病変など、慎重な鑑別が必要

【治療】

・無症状なら経過観察のみ
・軽度の症状であればPPIやP-CABが奏功する場合が多い
・それが無効ならばステロイド吸入薬の嚥下療法（吸入せずに）
・狭窄の高度な重症例はグルココルチコイド内服
・ロイコトリエン受容体拮抗薬や抗ヒスタミン薬も試みられている

参考文献）
1. 木下芳一 他｢好酸球性胃腸炎の診断と治療｣Gastroenterological Endoscopy Vol. 54（6) Jun. 2012
2. 藤原靖弘｢好酸球性消化管疾患診療の現況｣日老医誌 日内会誌 110：2631～2636，2021
3. 難病情報センター「好酸球性消化管疾患（指定難病９８）」
4. 猿田享男 監修「1252専門家による私の治療 2021-2022年度版:　好酸球性胃腸炎　伊藤公訓」日本医事新報社　2022.